76.え?「殺処分」

朝日新聞の読者意見「声」欄に、こんな投稿がありました。医師の方で「なぜ鳥インフルエンザ治療に効果的な薬を早くつくる努力をしないのか。その鶏たち、食肉になったり短い生涯が予想されるとは言え、殺処分とは可哀そうすぎる」といったことを訴えておられました。実際それには「殺処分に従事する人も気の毒だなぁ」と、ついテレビ画面から目を逸らしてしまいます。ただそんな殺処分という言葉は、鶏に限らずイノシシやシカ、猿、熊、それに犬や猫など日常茶飯事に聞きます。さらには家畜としての牛や豚の命も当然のように人間の手中にあり、「焼き肉モリモリなどと」日々食いあさられています。今イギリスで再評価されている江戸時代の「生類憐みの令」まであったこの国で、です。今日はそんな動物たちの殺処分を少しでも減らす方法はないものか考えてみたいと思います。そして、なるだけ簡便で安くに…これが今日のHatenaです。

疑問(76)え?「殺処分」

その方策について、ざっと思うままに書いてみると…

◎牛や豚など動物の生命を奪はない食事を心掛けるビーガンの思想。

◎家畜から排出される温室効果ガス対策として大豆ミートへの代替。

◎動物の居住空間である森林などの自然環境の保護や復活。

◎中国のような徹底した野生動物保護政策や住民への被害補償。

◎アニマルウェルフェア教育の推進。

◎そしてやはり動物を殺すことを可哀そうと思う気持ちの醸成。

…などいくつもありますが、借金大国の我が国ゆえ、原資は大変心もとないのが現状です。では何かお金がかからなくて簡単な方法ってないものか…と考えてみました。ありました!犬猫の殺処分滅失に一番マッチしていそうな方法が。それは、犬や猫を飼いたいと思ったら先ずは保護犬や保護猫(あるいは地域猫)を譲渡してもらって飼う。もちろんペットショップで買うことを考えるのは後回し禁物です。2019年度猫の殺処分は27108匹。対して犬の殺処分は5635匹。圧倒的に猫が多い理由は、犬に比べ小型で飼いやすく多頭飼いに陥りやすいなどの理由があるようです。一方ペットショップで売買される犬猫の数は2017年度で、のべ85万匹。その内、猫は18万匹だそうです(朝日新聞調査)。話変わってドイツではティアハイムという民間団体の動物保護施設が全国に約1400あるそうです。そこでは年間30万頭の動物が保護され、中でもヨーロッパ最大の施設ティアハイム・ベルリンは従業員150人+ボランティア600人が活動し、その東京ドーム4個分の敷地には1.5万匹の動物(鳥や爬虫類なども含みます)が保護されています。また厳しい里親審査の後の譲渡率は90%以上を誇っているそうです。さらにその運営資金は公費ではなく、ほとんどが個人の寄付や遺贈、あるいは譲渡手数料などの事業収入で成り立っています。こうした背景にはドイツ国民のアニマルウェルフェアに対する深い理解や、動物は買うものでなく譲り受けるものといった思想が社会に広く根付いていることにあるようです。ですからスエーデンなどと同様に、ペットフードなどのペット関連商品を販売するペットショップはあるものの、生体そのものを販売するようなペットショップはほとんど見当たらないそうです。またイギリスやフランスなどヨーロッパの各国では、犬や猫の生体販売はあっても、そうした店は日本に比べてほんの僅かで、また日本のようにショーウィンドーに犬や猫をさらして販売するなどもってのほかといった気風の中での営業となっています。ちょっと横道にそれてしまいましたが、犬猫の殺処分を減らす方法は何か。ズバリ、ペットショップで買う前に、まず初めて犬や猫を飼いたいと思う人は、ドイツと同様に譲渡会などで犬や猫を譲り受ける。そしてそうしたキャリアの蓄積がある人は、もし希望するなら次からペットショップで購入もできる…といったような気風や制度成立の希望が日本国民の心の中に芽生え、広く敷衍すればと思っています。家には海外から連れてきたキジトラ猫と、あまりのスリスリ・スキンシップ攻撃につい負けて庭で拾った、しっぽ曲がりの黒猫(写真の猫です)がいます。2匹ともノンブランドの雑種ですが可愛いですよ、とても。もし猫を飼おうと思われたら、そうした猫を是非!是非!

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