205ギャンブル超大国ニッポン!

 国内でギャンブル依存症の人はどれくらいでしょう。2021年に厚労省の行った調査によると、過去1年間にギャンブル依存症が疑われる人は、成人(18~74歳)の2.2%、196万人と推計されています。またその内で治療中の人はどれくらいかというと、その1%にも満たないといわれています。では、そのギャンブル依存症の割合って、日本は多いのかどうか。ある弁護士会の調査では、日本のギャンブル依存率はパチンコやパチスロの影響も大きいようで、日本は人口比で3.6%。対して、ギャンブル大好きそうな米国で0.42%、英国0.5%、カジノで有名なマカオでさえ1.8%と、日本は堂々世界一のギャンブル中毒大国です。それなのにどんな儲け話でもあるのか、大阪などカジノ誘致に企業や政治家集団は血眼です。さもしい話ですね。ところでギャンブルって、そもそもなんなのでしょう? 今日のHatenaはこれです。では…

205 ギャンブル超大国ニッポン!

<2024/5 三田>

まず用語の整理です…

➀ギャンブル=賭博(トバク)、博打(バクチ)

➁博打≒賭博

③博打はサイコロや花札を使う「賭博」の一種という面と、僅かなチャンスに一発勝負をかけるニュアンスにも使います。例えば「大博打をうつ」などです

④ギャンブル(gambling)の語源とは=game+le(反復を意味する)…つまりゲームを反復する行為。それに単語のgameも「複数の人が集まる」というニュアンスを語源としてもっています。

☆☆☆つまり<幾人かの人が集まり、一回では終わらずゲームを反復する行為>としてこの言葉に至ったのでは、と考えられています。

ところで、何をもって「それはギャンブルだ!」と言うのでしょう。同じお金を増やすにしても、銀行の預金利息なら「ギャンブルだ!」などとは決して言われません。それがパチンコでチンジャラいくら増えても、とたんに「そんなの、しょせんギャンブル、あぶく銭!」と同じお金でも差別されてしまいます。不思議な話です。 そこでその行為がギャンブル(あるいは賭博や博打)と評価されるかどうかの瀬戸際というか、なにか基準でもあるのでしょうか。「そんなこと考えたことないよ~」という人も多いとは思います。そこで物の本で調べると、ギャンブル(博打)になるかどうかの基準は「丁半ばくちにあり!」といったことが書いてあります。「丁半ばくち」でも多少個人の超能力的な素養も影響するかも知れませんが、まずその可能性は皆無に近い、運を天に任せたものにすぎません。ご存知のように「丁半ばくち」は、さいの目が丁(偶数)と出るか半(奇数)と出るかを予想する「ゲーム」です。また外国映画で見るコイントスも、同じように二者択一を「運」に任せていることでは同様です。いづれにしても、これらは科学的合理性に基づいた分析や予見による勝敗ではではありません。

では株式投資はギャンブルではないのか。やっぱり「一種のギャンブルだよ」と言う人もいるし、「全く違うよ」と言う人もいるし…いったいどうなんでしょう? そこでウィッキペディアを見るとこんなことが書いてあります。→→☆☆☆『株式投資はギャンブルではありません! 株式投資は自分の好きな企業にお金を投資して、その企業の成長を見守るものです。株式市場はその株を売ったり買ったりする市場であり、得をしている人、損をしている人、それぞれいます。しかし投資した企業が成長していけば、その企業に「投資した人はみな儲かる」という最大の違いがあります。また投資している人だけでなく社会全体が豊になるという意味において、ギャンブルとは異なるものです』と、なるほどよく聞く説明ですが、どうもスッキリしません。そこで元ゴールドマン・サックスの著名な金利トレーダであった田中学氏はその著書「お金の向こうに人がいる(ダイヤモンド社)」の中で、こんなことを書いておられます。→→★★★『株とギャンブルは違う。株に投資すれば、会社の成長にお金が使われる。設備投資や新規雇用が増えることで会社は大きくなるし、景気も良くなる。(だから株はギャンブルではない)ごもっとも(なご意見)です。ただし実態はどうなのか。例えば値上がりしそうな会社の株を10万円購入した。その10万円は、主に、どこに流れるのだろう。答えは、その会社とは全く関係のない人々の生活。つまり、株式投資の99%以上は転売でありギャンブルなのだ。ちょうどそれは、コンサートの転売チケットを買うようなもの。99%以上のお金は応援したい会社(プロダクションなど)には流れていないのだ。2020年の証券取引所での日本株の年間売買高は744兆円。一方で証券取引所を通して、会社が株を発行して調達した資金は2兆円にも満たない。つまり、あなたが会社に投資したいと思っているそのお金は、株を転売してくれた人の生活に使われ、会社の成長に1円も使われていないのは事実だ。そしてその転売はただのギャンブルにすぎない。僕たちが「投資」だと信じているものの多くは、転売を目的にしている「投機」と呼ばれるものだ。株にしても為替にしても、安く買ったものを高く売って、転売で儲けることを目的にすることが多い。転売を目的にワインやコンサートチケットを買うのも「投機」だ。投機で購入する人は、価格の値上がりによって儲ける。価格が値上がりするのは、樹木に果実が育つように、なにかが成長しているわけではない。コンサートチケットが1万円から3万円に値上がりしてもコンサートの質は良くならない。「値上がりした」とは、チケットを高くかってくれる人を見つけた」という意味に過ぎなくて、コンサートの質が良かろうと悪かろうと、高く買わせることができれば儲けられる。高く売って儲けた人の反対側には、高い価格で買わされた人が存在する。安く買う時にも、反対側には安く売らされた人がいる。投機という転売がギャンブルだというのは、そういう意味だ。<中略>(つまり)果実を実らせて分け合うのではなく、増えることのないお金を参加者の間で奪っているのだ。<中略>(つまり)生活を豊かにするのは、株価という会社の価格ではなく、会社が作り出すモノから得られる「効用」だ。』★★★(注:以上、田中学氏著書よりの引用ですが、時流に乗り遅れないようにとばかり投資や投機礼賛のご時世に、著者かくも勇気ある怜悧ある見識をお持であることに驚きました) いずれにしても前回のブログにも書きましたが、株式投資はケインズの言う「美人投票」にさえ例えられるような代物。個人的にはやはりギャンブルだろうなぁ~と思っています。           ◎最後にギャンブル依存症について、その特徴的な症状をいくつかあげておきます。

➀ギャンブルに勝ったときの興奮を追い求めて、掛け金の額がだんだん増える。

➁ギャンブルを途中で中断したり、中止すると落ち着きがなくなったり、イライラする。

③今までに、ギャンブルをやめようと努力した経験がある。

④ふとギャンブルのことが頭をよぎることがある。

⑤ムシャクシャした気分を晴らすためにギャンブルをすることがある。

⑥ギャンブルで負けたお金をギャンブルで取り戻そうとして、またギャンブルをしてしまう。

➆ギャンブル癖を隠すため、時には嘘をつく。

⑧ギャンブルで大切な人間関係を失ったことがある。

⑨ギャンブルのせいで、誰かに金を無心したことがある。

エンドクレジット

 平日に見るパチンコホールの駐車場。商用車らしきものが、いっぱい隠れています。2022年我が国の一人当たり労働生産性は国際比較で29位(米国は3位)と、1970年以降で最低ですが、理由の一端はこんなところにもありそうですね。あ~ぁ、それにしても万博カジノ。見苦しいやおへんか博徒はん。

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