「怖い怖いね、触れるなよ、騒いだらだめだよ」…これ何だと思われます。そうです、テレビや新聞といったメディアで囁かれる自己検閲の声。ただ最近その体たらくも目に余ります。なぜ実直で一途な報道をしないのでしょう。と、いうことで今日はそんなこんなを徒然なるままに…
疑問(50)自己検閲の泥壁
なかでもNHKは旧統一教会や政治家との癒着をちっとも報道せず、抗議の電話が殺到しているようです。またウクライナ戦争ではロシアの言い分は100%悪、米国の言い分は100%善。まさに勧善懲悪の世界を垣間見るような報道ばかりです。ペロシ下院議長の訪台についても、日本ではまさにそれが正義や民主主義の体現者のような報道ばかりで、正々堂々とペロシ氏の記者会見で「訪台は単に貴女のレガシーづくりのためではないか」と言い放ったのは米国の女性記者でした。偉い!さぞ日本の記者は驚いたことでしょう。事の良し悪しを現場に接し深読みすることもなく、まず日本政府、そして日本の君主国である米国の価値観や立ち振舞にへつらい準拠した報道に心掛けるのを常とする日本のメディアですからね。また、かの事件当初、日本のメディアはそれを口にすることさえ恐れ、「某教団」とぼかしていたようですが、一方海外メディアはその事実を知った直後から「旧統一教会」とはっきり報道していたようです。そして今回のペロシ氏訪台報道についても、まず日本のメディアが、あんまりというか、ほとんど取り上げなかったことがあります。それは台湾の民意についての報道です。実際、英国のガーディアン紙による世論調査では2/3の台湾住民がペロシ氏訪台に反対でした。また少々余談になりますが、将来起こりうる台湾をめぐる米中戦争についても、米国シンクタンクの多くが、中国の圧倒的優位性を示唆しています。しかしワイドショーなどのテレビで発言する識者と言われる人の中には、台湾住民の政治指向の多様性を無視し、さも戦争が起これば全住民が米国側(日本など)や民主進歩の現政権を支持するといったような希望的仮説あるいは幻想に基づいた話をする人がいます。例えば中国は兵站能力で劣るから米国に負けるかも、といった具体性のない空疎な発言など。しかし台湾住民の民意を俯瞰すれば中国統一指向、台湾独立指向、現状維持指向の3カテゴリーが現にあります。そして政党としては民進党と国民党の二大政党と他に少数政党があります。そして2020年の総選挙で大躍進した民進党の得票率は57.1%に対して国民党及びその他の政党も42.9%獲得しています。そして前述のカテゴリーで言えば、民進党の支持基盤の多くは台湾独立指向と現状維持指向。また国民党及びその他の政党は中国統一指向と現状維持指向が、その基盤となっています。そして現状維持派の割合は、時の世界情勢などによって大きく左右に振幅します。そのため台湾問題を語るときは、ロシアに大多数抵抗するウクライナ人民とは違う民意の趨勢や変容を知ることがとても大切です。もちろん米中対立そのものについても戦争ゲームをやるような外層的興味を捨てての深い分析は必要です。先般も書きましたが、日本のメディアは国際報道にあって米国政府の情報(あるいは米国の報道で、自社が非難の的にならないもの)を、金科玉条のごとく押し頂いて報道するだけです。何故なのか。それはやっぱり米国政府が怖いからです。もちろん時の日本政府も怖がっています。そして米国シンクタンクの洗礼を受けた識者も、何が米国の逆鱗に触れるかを日本人に教えるあたかも伝道師のように、日本の新聞やテレビで毎日活躍しておみえです。そう言えば、旧統一教会に対する政権やメディアのスブズブの甘さは、米国にとって大したことではなかったのでしょうか。それとも関連組織の名が勝共連合ですから、そもそも甘いのでしょうか。とは言え、メディアの方々頑張ってくださいね。何せ国民はバカ(あんな報道ですから、きっとそうお思いでしょう)ですから、わかりやすく、一方にえこひいきせず、保身を考えず、誇りをもってお仕事に励んでいただきたいと思うのですが、やっぱり難しいかなぁ~。ですが、しょせん泥壁ですから是非そんな壁、霧散してくださいね。
コメント