147・「ヤバ―」ってなんだいねん?

 日常会話でホイ、テレビでもホイ、もちろんSNSでもホイホイ。ただ新聞紙面ではそれ、さすがにお目にかかることは少ないですね。そりゃ何の話だ?!と問われれば、それは「ヤバ―」という言葉について。そしてこれが今日のテーマです。もちろん「ありきたりなテーマだよな、それ」というご批判、よく承知しております。さらに、それでも臆面も無く筆を進めようとするその危うさも「ヤバー」であることも、よく存じ上げております。それに自身の知識領域も甚だ狭隘という状況ですから、内容も当然稚拙で、正真正銘の「ヤバ―」行為だと思います。ですから、読んでもあまりのバカらしさですから「ヤバ―」の発声も不要かと思います。それでも「ヤバ―、ヤバ―」が口から出てしまう人は、体のどちらか(一般的には身体の最上部)に不都合、あるいはロシアの生理学者イワン・パプロフの唱えた条件反射、さもなくば中毒症状の類かもしれません。と、まあ長ったらしいプロローグになってしまいました。ここらで「ヤバ―」ってなんだいねん?の「始まり~始まり」と致します。

(147)「ヤバ―」ってなんだいねん?

<2025/1 新宿>

★まず「ヤバ―」は「やばい」や「ヤバ」と同じで、発声する時の状況や雰囲気でなんとなく使い分けます。例えば、事故に遭遇した車のドライブレコーダーの記録がテレビで流される時があります。それを聞くと多くが「ヤバ・ヤバ」とか「ヤバイ・ヤバイ」と超早口(やや高音)で発しています。ちょうど女性の発する悲鳴「キャー」に似ているでしょうか。

★また「ヤバ―」は美味しいものを食べた時などに発する時も多いようです。ちょうど「美味しぃ~」と感動の余韻を残すように、「ヤバ~」と目を右上方から左下方へ動かしながら言うTVの雑多な食べ物紀行番組で、多くの食タレ(美味くても不味くても、さも美味いように披瀝するのを生業とするタレントや人のこと)がよく使うあのエクスプレッションもその流れでしょうか。つまり「美味い物にありついて、私の頭は狂っちゃう」。だから「ヤバ~」となる、というような胸の内からの発話なのでしょうか。

そもそも「ヤバ―・やばい・ヤバ」などは、危険や不都合な様子、状況や具合がよくない様子、問題が多い、困惑させられる、などを表現した言葉なんです(例えば寝坊した時や電車に乗り遅れそうな時のように、焦ったり、追い込まれたりした様子をヤバ―と言っていました)。それがですね2000年頃より若者の間で、すばらしい、すごくいい、非常に興味をひく、という意味で使われるようになったのです。それで2001年版・現代用語の基礎知識<自由国民社>でも、その肯定的な意味での「やばい」が初出しました。

そもそも「やばい」の語源については諸説ありますが、中でも次のような説が有力です。

牢屋を語源とする説→江戸時代、牢屋の看守のことを「厄場(やば)」と呼び、悪事で捕まりそうになることの隠語としてそれが使われ、やがて「やばい」という形容詞が派生したという説。

射的場を語源とする説→明治になり美女を矢場の店頭に置き、実際は裏で売春をさせていたことから、危険な場所を意味するようになったという説。

ところで「メシ、風呂、寝る」という言葉、ご存知ですか? これは、日本の昔のお父さんの生態を表現する言葉(他にも雷おやじなどの言葉があります)の一つです。つまり家庭内では、父親はこの三語で事足りるというスタンスであることを表現した言葉です。もちろん今いたらガラパゴスへでも放逐されるでしょうけど。しかし今はそのガラパゴスがマクドナルドやガストで体験できます。

つまりですね、それでもそれなりに会話の花が咲いているとは思うのですが、そこではかの「父ちゃんの三語主義」に類したボキャブラリーの希薄さが漂っています。それは今風の主力単語、例えば「ヤバ―」などの単語が1~2語程度、さらにそれに類した傍系単語が4~5語程度。そしてそのグループ内に浸透し慣用化された固有名詞などのいわばサークル的単語が10語程度。ただそれでもいいのです。当事者にはきっと事足りているのでしょう。つまり某テレビの相談役某氏の言うように、万事オモシケレバいい世の中ですから。つまりその場で会話に使用する単語が僅か20語ぐらいではあっても、随所に「ヤバ―」などの主力単語を配置し、時には従順と同調を表現するパチパチ拍手などの姿態効果や音響効果を適宜「ヤバ―」の発話と絡ませ、ミーティング(昔風に言えば井戸端会議)を盛り上げていくさまは、さすが。とは言えSNSの発達で顔をつき合わせての会話に躊躇する人も増えているとか。複雑な心の内を面と向かって表現するには、やっぱりボキャブラリーのUPも必要と思うんですよね。ただこの発言こそ、ガラパゴス的発言として指弾されるかもしれません。ともかく「ヤバ―」の流行は「やばい未来」を暗示するキーワードとも受け取れるのですが、それともやっぱり「やばいほど素晴らしい未来」を暗示するものなのでしょうか…。ん?「とかなんとかダラダラ言ってる時間あったら、穴のあくほど新聞読もっと読め!」という天の声が今頭上に聞こえてきました。では…。

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