86.死は存在しない

「人間は死んだらどうなるのだろう。考えるだけで、あぁ~怖い、怖い~」…とならず冷静にこれを考えてみることって大切ですよね。とは言うものの、超常現象、臨死体験、怨霊とかいった本は巷に多々あるのに、意外にしっくりいく本は皆無。そこでこれ、この本です。以前にも紹介した田坂広志氏著「死は存在しない」、新書版の本ですが出色です。そこで今日はその本の肝になるところを書こうと思っていますが、どうでしょう。「それ他人の本の抜粋?コピペ?そりゃ、あんちょこジャン!」というお叱りがあるかも。ただやっと最近、庭の梅花もほころびはじめ、今までケチの節電で耐え忍んだ極寒による脳の硬直化も幾分和らいできました。そこで以前から書きたい、書きたいと思っていたこの話。正直、田坂氏には申し開きのできないコピペタントの駄文になりそうですが、とにかく書きます。なお本旨から逸脱しない限りでの一部表現変更を加えています。ただそれでかえって曖昧模糊かつ不可解な、ふにゃふにゃ文になってしまうかもしれません。何卒ご容赦ください。

疑問(86)死は存在しない

まずこの話の必須3ポイントを箇条書きにします。

➀138億年前にできたこの宇宙には、普遍的に存在する「量子真空」というものがあります。またその「量子真空」には「ゼロ・ポイント・フィールド」と呼ばれる場があり、ここに宇宙のすべての出来事の情報が「記録」されているという仮説が書かれています。➁量子物理学の観点からすると、宇宙には➀のところの「量子真空」と呼ばれるものが存在し、そこはまた「ゼロ・ポイント・エネルギー」といったもので満たされていると科学的に推定されています。③ではその「量子真空」とは何か?についてですが… まず138億年前にこの宇宙が誕生しましたが、ではその前は何があったのでしょう→それは「真空」だけが存在していた(専門用語で量子真空)→そしてその「量子真空」なるものが、ある時ふと「ゆらぎ」を起こしました→その瞬間、極微小の宇宙が誕生!→さらにそれが、急激に膨張し始めました。この科学理論が、世にいう「インフレーション宇宙論」(佐藤勝彦氏やアラン・グースらが提唱)と呼ばれるものです→そしてその直後、さらにこうした宇宙の萌芽が巷でよく聞く大爆発(ビッグバン)を起こし、名実とも現在の宇宙が誕生したのだ!と。このプロセスを論じた科学理論が、いわゆる「ビッグバン宇宙論」(ジョージ・ガモフ提唱)と呼ばれている→そしてさらに、そのビッグバンを起こした宇宙は光の速さで膨張し、138億年かけて現在のような広大な宇宙ができました→そしてある時その宇宙の片隅に、太陽という恒星が生まれ、その一つの惑星である地球に生命が生まれ、さらに豊かな生態系に育まれた中で、ついに人類が誕生しました→そしてその総括として、この「量子真空」の中には、『壮大な宇宙を生み出せるほどの膨大なエネルギーを内包している』、あるいは『我々の生きているこの世界の「背後」に、「量子真空」と呼ばれる、無限のエネルギーに満ちた世界が存在している』と予想できるのだそうです。なおこの量子物理学でいう「ゼロ・ポイント・エネルギー」のスケールはどれほどなのかを試算した人物(ノーベル物理学賞受賞者のリチャード・ファテンマン)によると、1立方メートルの空間に内包するそのエネルギーは、世界中の海を瞬時に沸騰させることができる程だということです(まさに瞬間海沸かし器)。またこのエネルギーは「無限」だとも理論提示されているから凄いですね。

以上長くなりましたが、ここまでは現代科学での「定説」となっている話のようです。さてこれからが本題の「仮説」(現代の最先端科学が示している仮説)についてです。まず「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」について説明しますと…この宇宙に普遍的に存在する「量子真空」の中に「ゼロ・ポイント・フィールド」と呼ばれる場があります→そしてこの場には宇宙のすべての出来事や情報が「波動情報」として「ホログラム原理」で「記録」されている、という仮説です。それは「波動干渉」(あたかも静まり返った湖面に石を投げ入れてできた波のようなもの)を利用した「ホログラム原理」での記録。つまり量子物理学的に言えば、この世界の事象が、すべて「波動」で成り立っているという科学的事実がこの仮説の肝です。要は森羅万象全てが波動。例えば、目に見えるもの見えないものの他、我々の意識や心や精神などが量子的現象であるとしても、それはやはりエネルギーであり「波動エネルギー」に他ならないということだそうです。そして話はいよいよ「死は存在しない」の本題に進みます。ゼロ・ポイント・フィールドという場には宇宙で起こった出来事すべての情報が「記録」されています。例えば「量子空間」から宇宙が誕生したことも、ローマ帝国の興亡やホロコーストも、そして私たち個人や個々人の祖先が悩み歩んだ人生の情報も、何でもかんでも全て、完璧にゼロ・ポイント・フィールドに「記録」しているようです(もちろん仮説です)。さらに生きている今も刻々とリアルタイムで「記録」中のようです。そしてこの本では霊媒師による死者との交信についても、ゼロ・ポイント・フィールドから情報を受け取る特殊能力を想定しています。また各宗教の教典の中にもゼロ・ポイント・フィールドの存在を暗示する箇所が見受けられるそうです。また生まれ変わりと思われる子供の発言も、ゼロ・ポイント・フィールドとの母体を通しての接点も示唆しています。そしていよいよ話は佳境に入ります。以下は長くなりますが、大切な部分ですので、著書原文のまま掲載します。以下、田坂広志氏著「死は存在しない」よりコピペ……『筆者の描く一つの科学的な仮説は、我々が死を迎え、肉体が滅びた後も、ゼロ・ポイント・フィールドに記憶された「我々の意識の情報」は、そのフィード内に記憶された「他の人々の意識の情報」、すなわち感情や想念、知識や叡智などと相互作用を続け、さらには、フィールド内に記憶された「この宇宙に関するすべての情報」を学びながら、変化し続けるのではないか、という仮説である。すなわち筆者が抱くのは、肉体は死滅しても、「我々の意識の情報」は、ゼロ・ポイント・フィールド内に「永遠の記録」として残り続けるだけでなく、さらに変化を続けていくのではないか』と…以上著書からの一部をコピペしましたが、次は「死は存在しない」と結論付けるその論拠についての話です。肉体の死後、私たちの意識は、そのゼロ・ポイント・フィールドへ移行していきます。ただそれまでの欲とか悩みとかにまみれていた自我意識は、ゼロ・ポイント・フィールド内で徐々に薄らいでいきます。ですから自我を超越した「深層自己」の中の私たちの意識は「自我を超えた意識」あるいは「超自我意識」と呼ぶべきものに変わっていきます。そしてこの本では、こんな問いを投げかけています。『では、われわれは、死後、ゼロポイントフィールト゛で肉親に再開できるのか?→そしてその答えは、ゼロ・ポイント・フィールドで再会するのは「自我意識」が消え「超自我意識」となった肉親である。それゆえ、その肉親は、かつて現実世界で触れあったような。明確なエゴを持ち、喜怒哀楽を表し、愛情と葛藤を共にした肉親ではない、すでにそうしたものを超越した意識状態の肉親、文字通り「超自我意識」の肉親である。つまり死んだばかりで自我意識のまだ残ったままの状態で到達したゼロ・ポイント・フィールドでは、ゼロ・ポイント・フィールドが我々の「自我意識」の願いを感じ取り、フィールド内の肉親の「様々な情報」(外見、表情、言葉や仕草、感情や想念、知識や叡智など)を集め、それを「人格化したイメージ」として現すのである』と。以上のように、ここでのゼロ・ポイント・フィールドとは、単なる「情報貯蔵庫」ではなく、「宇宙意識」と呼ぶべきものと、結論付けています。さらにその「宇宙意識」とは真偽、善悪、美醜、愛憎、好悪といったような二項対立的なものではなく「すべては一つ」と言った意識をいうようです。そして、死後、我々の意識が「超自我意識」になった後、その超自我意識は、どこへ向かうのか、といった疑問が湧いてきます。その答はこんな風に書いてあります。『まず、この「超自我意識」は、ゼロ・ポイント・フィールド内の様々な知識や叡智に触れながら、変化を続け、成長を続け、拡大を続けていく。なぜなら、この「超自我意識」は、「自我の障壁」が無くなっているため、フィールド内に存在する、この宇宙のすべての情報に繋がることができるからである』と。どうでしょう、お分かりいただけたでしょうか。以上の文の中には初めて聞くような用語が沢山出てきましたので、最後にここでちょっと要点整理してみます。➀「量子真空」から生まれた、この宇宙の森羅万象の真の姿は「物質」ではなく「波動」➁よって我々の肉体や意識の活動も含め、すべてが「波動」③現実世界のこれら「波動」は量子真空内にあるゼロ・ポイント・フィールドの中に「波動」の軌跡として存在する。④「波動情報」という観点で言えば、ゼロ・ポイント・フィールド内に「現実世界」と、まったく同じ世界が存在する。⑤その世界を「現実世界の奥にある世界」という意味で「深層世界」という。 ⑥よってゼロ・ポイント・フィールド内には「現実世界」と全く同じ「深層世界」が存在する。➆ただ、このゼロ・ポイント・フィールド内の「深層世界」は、「現実世界」で起こる出来事を刻々と記録しながらも、「現実世界」と異なる3つの特徴を持っている。それは⑧フィールド内ではエネルギーの減衰が起こらないため、「深層世界」では永遠に、すべての情報が残り続ける。⑨「深層世界」には「過去」から「現在」までの情報が存在している。さらに「未来」(ここのところは是非本をお読みください)も。 ⑩またこのフィールド内では瞬時に情報伝達が起こるため、「深層世界」では、「情報同士の相互作用」が極めて容易に起こる。⑪「現実世界の私」と全く同じ、「深層世界での私」が存在している。よって「現実世界」を生きている「現実自己」と同様、「深層世界」を生きる「深層自己」が存在する。なおこの「深層自己」は「現実自己」と全く同じ「肉体の情報」と「意識の情報」をもっており、それも過去から現在までのすべてをもつ。⑫「現実自己」が死を迎え、消え去った後も、ゼロ・ポイント・フィールド内の「深層自己」は残り続ける。→→だから我々の意識は、「現実世界」の「現実自己」が死を迎えたあと、ゼロ・ポイント・フィールド内の「深層自己」に中心を移し永遠に生き続ける。

☆彡以上長々と書きましたが、ぜひこの本、「死は存在しない」を読んでみてください。巷に溢れる、怨念や憑依、心霊現象といった類の話。前にも書きましたが、「落ち武者の霊を騒ぐなら、関ヶ原に住むのって、怖くない?」とか「被爆地やホロコーストの地はどう?」なんていう声が出そうなものですが、ご都合主義的というか、巷では全く耳にしません。そうそう、動物霊についても全く触れることなく、牛豚鶏を食いあさる世相も、霊について変転するご都合主義の極みでしょうか。もちろんプーチン氏やゼレンスキー氏ばかりでなく、戦争を煽る欧米やあの首脳の周りにも怨霊が溢れているはずです。「死は存在しない」は、そんな鬱積するHatenaに対して、ある種、溜飲の下がる清涼剤のような良著だと思います。

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