○皇室とは→天皇およびその一族の総称
○その人数は17名(時々で変るが、現時点での数)→内訳は天皇+上皇+皇族15名の総計
…なのですが、その皇室について現在こんなことが政府の有識者会議などで議論されています。現状のままでいたら、将来、秋篠宮のご子息で、現在皇位継承2位の悠仁(ひさひと)さま以降の世代で皇族がいなくなってしまう~。そこで、ていへんだ~とばかりに➀女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する。➁今は認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系男子を皇族とする…などと喧々諤々、チマチマの議論がされていますが、ちょっと待ってください!、 そもそも皇族の方々ご本人はそれについて、どうお考えなのでしょう。それが残念ことに、いろいろな思いはあるでしょうが、国民には伝わってこないし言えない。なぜ?でしょう これが今日のHatenaです。
200皇室の不自由点
<2024/4飛騨 荘川桜>
まずは衝撃の事実! ! 天皇や皇族には戸籍がありません。天皇や皇族の身分に関する事項は、一般国民の身分登録である「戸籍法」によらないで、「皇統譜(こうとうふ)」に登録されています。そのため憲法論上では「主権者たる国民」あるいは「人権享有主体としての国民」に該当するかどうかの論争があります。ただ「皇統譜」の中には「日本国籍を有するものでも戸籍に記載されない唯一の例外に天皇および皇族がある」という記載があります。そのため戸籍は無い(実際、苗字もない)けど憲法第10条に規定された日本国籍を有する「日本国民」と考えられています。ということで、憲法が保障する基本的人権は有しているというのが前提となっています。つまり、すべての国民は憲法で、「幸福を追求する権利」、「結婚の自由」、性別や出自で差別されない、などの基本的人権が保障されているはずです。そして18歳以上の成人になると、参政権も持ちます。しかし天皇は日本国民ではあるものの、憲法第一条で「国の象徴」となっているため、他の国民全般のように政治のおおもとを決める国民主権者からは除かれています。また憲法二条でその地位は世襲と規定。また第四条で「国政に関する権能を有しない」とも規定され、職業選択や政治参加は認められていないと解されています。そして残念ながらあまり話に出ないのですが、天皇以外の皇族にたいしては、こうした不自由な処遇についての規定はほとんど見当たりません。あるのは「皇室典範」の中に男女平等や結婚、さらには皇室離脱などに制限をかけた規定と財産法ぐらいにしか見当たりません。さらに参政権についても、「戸籍を持たないものは、当分の間、停止する」といった公職選挙法付則がその妨げになっているといった程度です。ですから少なくとも天皇以外の皇族については、制度の機械的押し付け議論にひた走るのではなく、人権の尊重に配慮した制度改革の断行が必要に思われます。しかし現状は残念ながら天皇や皇族について語られる多くの議論は、当事者の人権問題を置いてきぼりにしたものになっています。例えば盛んに議論される「女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する」といった案についても、当事者である皇族の意向をいかほどか考慮しているのでしょうか。また皇室や皇族を支える費用のほとんどが一般国民の税金で賄かなわれているとしても、かってあった皇族離脱による一般人との結婚を希望する人に対して放たれた執拗で陰湿な報道。そんな人権無視の環境の中に身を置き続けたい女性皇族がどれほど存在するのでしょう。5月7日の朝日新聞に「皇位の継承、国民の声踏まえ協議を」という社説が載っていました。またその結びの文はこう書かれていました。「象徴天皇制は主権者である国民の支持があって初めて存立する。この基本に立って協議を進めなければならない」と。ではそういう現行の象徴天皇制を如何ほどの人が支持しているのでしょう。天皇制については他に大日本帝国憲法下のような君主としての天皇制や、さらには国の制度としては廃止するが、文化伝統として存続させる共和主義的天皇制などの考え方があります。象徴天皇制、実際には生まれた時からこの制度だから何となく、といった雰囲気もありそうです。そしてそもそも象徴天皇制、莫大な経費や、その存続・継承に頭を悩ませてまでの必要性とはいったい何なのでしょう。それに天皇は日本国の「まとまりの象徴」だとよく言われます。では、そのまとまりとはいったい何でしょう。もし無くなると、今以上に民意や国のあり様がバラバラになるのでしょうか。例えば王政や君主制を廃止したイタリアやフランス、中国、ロシアはどうなったでしょう。ともかく現状の皇位継承問題の論点は、皇室や皇族の形式的な存続方法論ばかりであり、その存在意義や皇族自身の人権問題には相変わらずの皇室タブーを踏襲し触れないようにしています。当然これマスコミが主犯です。もちろんスキャンダルの種は尽きない、あの海外王室には有らん限りの称賛やおべんちゃらを送るかのメディアやコメンテーターさえ、日々人権から疎外された我日本の皇室の現状を語ろうとはしません。また女系天皇を詠えば、ジェンター平等の遂行者とでも思われると期待してか、「男女平等として女性兵士も戦闘地域へ!」の今となっては反省の弁を語る米国のジェンター平等団体に似て、事の本質を語らず、ここでも集票や自己保身のために蠢く政治家やコメンテーターの方々がおられます。お願いだから人として、皇室の人権も考えて頂ければとつくづく思います。
<参考>2020朝日新聞の皇室人権についてのアンケート調査に記載された、皇族にもっと個人の自由が認められるべきと思われる項目一覧→ →婚姻の自由・子供を持つかなど家族のあり方を選ぶ自由・職業選択の自由・表現の自由・居住地を選ぶ権利・性的思考に関する自由・皇室を離れる自由
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