204ロシア凍結資産/ねこばばは誰!

米国やEUなど、西側諸国がロシアにしている対ロ経済制裁。中でもロシア資産凍結→その没収(ねこばば)までやってしまうという発想。それひょっとして泥棒?…といったあぶない内容が今日のHatenaです。

204　ロシア凍結資産/ねこばばは誰!

<2024/5馬籠>

　思い起こせば1941年7月25日(米国時間)、ルーズヴェルト米大統領は、対日経済制裁の一つとして「米国にある日本資産の凍結」を公布(米国官報に載せる)。その結果、当時米国にあった日本人や日本企業の資産は米国政府の管理下に。その結果はご存知のように、日本が描いた自給自足の夢は潰え、無謀な対米戦争へ突入しました。つまり、こうした経済制裁のおかげで当事国の戦力や気力も萎え、戦争終結あるいは和平の道筋が早まるなんてことはさらさらなく、それは戦争＝文化のようなあの野蛮国が語る、空疎な夢物語にすぎません。例えば、北朝鮮を考えてみてください。長期の経済制裁にも耐え忍んで、国家存亡の危機までには今もって至っていません。むしろ虐げられし者のように、暴力性を増してさえいそうです。以前、経済制裁一辺倒の対北朝鮮政策に対して、当時の田中真紀子外務大臣は「北朝鮮が米をほしいと言うのなら、好きなだけ送ればいい」と発言し、いつもながらの「弱腰だ!」といった批判の一斉砲火を浴びたことがあります。しかし拉致被害者問題については、強権的な経済制裁一辺倒では解決の兆し今もなく、むしろ風化の危険性さえあるため、今年に入り拉致被害者家族会の方針にも、ある種の変化が生まれているようです。ちょうど「イソップ童話の北風と太陽」のような変化でしょうか。ところでロシア資産凍結とその活用っていう話、「私有財産は不可侵」という近代資本主義の大原則を踏みにじる「資産収奪」ではないの?といった疑問が湧いてきませんか?　それって国家による行為であっても、裁判所の判決もなしに、こんな蛮行ができるとは不思議でなりません。一方ロシアはそれに対する報復としてロシア連邦や中央銀行は国内の裁判所に対して、ロシア資産が不当に差し押さえられたかどうかの判断並びに、損失の補償を要請することができるとしています。また要請を受けた裁判所は、補償金の移転を命じる判決を出せるのですが、そうした裁判所の介在は、米国やEUなどの手法よりは法秩序に照応しているように思うのですが、どうでしょう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<注>EU＝ヨーロッパ連合の加盟国は21日、ウクライナ侵攻を受けて制裁として域内で凍結してきたロシア中央銀行の資産の利子から得られる日本円で年間およそ5000億円にのぼる収益をウクライナへの軍事支援などに活用することで合意。そしてEUは早ければことし7月から、この収益の90％をウクライナへの軍事支援に、残り10％をウクライナの復興などに活用しようと考えています。
<参考>[サンパウロ ２８日 ロイター] – フランスのルメール経済・財務相は２８日、ロシアの凍結資産を没収してウクライナ支援に活用するという米国の提案について「法的根拠はない」と否定的な考えを示した。主要７カ国（Ｇ７）内部での溝が露呈した形。
<参考>外国資産略奪のディメリット➀自国の外貨準備が凍結、処分される可能性が将来ありうると思う国が出てきて、その国が外貨準備の保有を抑える傾向に向かう可能性。またそれにつられ、将来外貨不足で外貨建て債務の返済が難しくなるとの観測も生まれて、通貨が大きく減価する可能性も出てくる。➁また、外貨準備ではなく、そうした国の民間銀行も、海外に持つ外貨建て資産を凍結、処分されることを警戒してその額を削減すれば、国際資金決済（国際送金）に支障が生じる可能性が出てくる。③さらに、外貨準備など外貨建て資産を削減する動きが生じれば、それはドル、ユーロなど主要通貨の下落につながる可能性もあり、欧州諸国はユーロ安リスクを警戒する必要が生まれる…等々があります

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