ゴジラ-1.0をたった15分観ました。アカデミー賞視覚効果賞をもらったアレ。やっぱりVFXといった映像表現の出来栄えで受賞しました。潤沢な製作費のハリウッド映画の場合、だいたいそうした視覚効果費用に100億円ほどかけるそうですが、今回の映画は山崎監督によると10億円ぐらいとか。この受賞については「節約を美徳とした伝統が古来より息づく、さすが日本映画」といった自分なりの納得もし「今度こそ、きっとよろしおす」の気持ちでWOWOW放映(7月)に臨みました。しかし、あ~ぁやっぱり15分でグッバイ。今日のHatenaはそんな「グッバイの理由」の拙い説明です。もちろんこれ独断と偏見、さらには偏狭な個人的価値観まみれの内容ですが、なにせ15分の出来事です。辛抱してご一読いただければ幸です。
212 ゴジラ
<2024/6 武蔵野市立図書館>
2時間5分の映画でたった15分ですから「そんなの観た内に入らないよ~」と聞こえてきます。それで、あえて言えば「眺めた」といったところでしょうか。それなのにどんな理由で15分しか辛坊できなかったのか? では縷縷説明いたします。結論から言えば、「つまんない」の一語。まずプロローグとして《特攻で出撃した主人公は死ぬことに怖気づいてしまい、特攻を果たせぬまま戦闘機の故障を装って大戸島へ着陸。そこへ突如ゴジラ出現。しかし主人公は不甲斐ない性格のため、島に駐屯する整備兵をゴジラから守ることもせず、自分は助かってしまう》といった卑怯で軟弱な主人公のイメージが映写されます。これで約15分。まさにこの部分が、映画への反発の全てを凝縮内包したものになっています。ということで、今回この部分を吟味しイチャモンをつけます。なにせ15分しか観ていないのですから大仰なことは言えませんけど、あしからず。まず主人公ですが、特攻隊員でありながら死への恐怖心から搭乗機の故障と偽って帰還を果たすという設定。この部分、もちろん内心まではわかりませんが、当時の軍国青年として卑怯にも虚言を弄してまで、このように命拾いをしたいと願った人がどれだけいただろうか、といった疑問が浮かびます。つまり今では想像もできないような狂気の時代へのレクイエムをあぶり出すような映像表現にはなっていないということです。また大日本帝国海軍下にある主人公の行為は、敵前逃亡であり極刑に値する犯罪。それがメインキャラクタ―のゴジラの出番を控えて、そこを歴史を超越してさらっとスルーした描き方。また主人公が島に帰還した折、迎えた他の兵士たちの描写が少しも殺気立っていない。あの終戦間際の悲壮なクライマックスの中にあるのに、あまりに異次元の描き方です。さらに映画は、敵前逃亡といった苦渋の選択をして国賊の汚名をまとって帰還した主人公でさえ、震えや嗚咽といったある種の錯乱状態を起こすこともなく、単なる小心者といった能天気な描き方。もちろんそこで必要となる、主人公の身柄拘束や尋問といった危機対応の描写もありません。また主人公を演ずる神木龍之介さん個人についても、その役柄とは大きな齟齬を感じるものでした。たとえば小心さの中にも、たとえ虚飾としてでも持ち続けているだろう大日本帝国軍人としての矜持。そうしたものが全く感じられない演技であり、主人公の情念や内省を演じるには、容姿や発声からしてミスマッチに感じられました。別の言い方をすれば、今回のような過去を引きずるような「深みのある男」の役どころは難しいのではないか。また時代考証の専任者がいるはずなのに、車や服装といった目に見える物への時代考証には熱心であったかも知れませんが、当時の思想や流行とか価値観などといった目に見えない心的なものへの時代考証はお粗末なようです。それにしても日本の若手俳優は諸外国に比べ下手ですね。まあ見る方も「楽しけりゃいいじゃーん」という時代ですから。だから今のようにVFXやアニメ部門といった、ああした受賞が多くなるのでしょうか。そうそう、ちょっと余計な話になりますが、よく巷では「出ている子役がうまい映画はその出来がいい」とよく聞きます。さてこのご高説、諸外国にくらべ日本事情はどうなのでしょうね。以上「15分でグッバイ」の理由を書き連ねましたが、次回のゴジラはどんな題名になるのか。ゴジラ-2.0。それともエピソード1とかなんとか…。いづれにしても映像技術でというより、シナリオや演技で心にズンドコドンとやって来るゴジラ出現。「期待しています」山崎監督さん!
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