214.キャンセル・カルチャー

 J.K.ローリングの名前をご存知な方は日本でも多いはずです。そう、あのハリーポッターの原作者です。お気づきでしょうか、彼女のこと最近はさっぱり日本のメディアも取り上げませんよね。実は彼女、本国のイギリスでキャンセル、つまりキャンセル・カルチャーの標的になってしまったのです。ということで今日は前回の「LGBTQ+」問題に続いて、それに付随するキャンセル・カルチャーの問題ならびにLGBTQ+の暗部について話を進めます。まず、キャンセル・カルチャーとはいったいなんでしょう。それが今日の「巷のHatena」です。では…

  疑問(214)キャンセル・カルチャー

「キャンセル・カルチャー」(cansel culture)とは、2010年代後半から使われるようになった用語です。つまり「容認されない言動を行った」あるいはそうみなされた個人が、いわゆる「社会正義」を盾に、法律に基づかない形で排斥・追放されたり解雇されたりする文化的現象、悪く言えば特に先進国でまん延するある種の病理を言います。なおここでいう「容認されない言動」は現在の行いだけではなく、過去に遡って問題にされます。つまり、今は偉人と言われ記念碑やブロンズ像が建てられても、将来破壊の憂き目にあうかもしれないという怖い話です。<なお、この件については以前にこのブログでも、ブロンズ像のタイトルで取り上げたことがあります。またこの排斥は、対象者の社会的地位・私生活の領域に及ぶこともあり、中でも著名人に関するものは執拗なようです。そして排除された者のことを「キャンセルされた人」と表現します。よく考えると本当にこの話は怖いですよね。遠い昔の子供時代の発言や行為が、今の社会に敷衍する「社会正義」に抵触すると一たび考えられたとき、メディアやSNSによる不断の掘り起こしと相まって、十分だれもがキャンセル・カルチャーのさらし者になる可能性があります。ではJ.K.ローリングの場合をかいつまんで、お話ししましょう。まずJ.K.ローリングは勇敢にも、御身大切とばかり世間一般ではあまり触れられていないジェンダー問題に足を踏み入れました。もちろん、そんな話に日本では政治家やコメンテーターは、どれもこれもへなちょこりんで「そうした差別はなくせ!」と空念仏を唱えるだけ。LGBTQ+に関しても、その問題の本質をいろんな角度から考えたり、無難な潮流と異なる意見を言うような人はまず皆無です。実際、性的マイノリティーと言われる人の中にも様々な意見があるのに、現在のLGBTQ+の主流意見(そのほとんどが米国発のもの)に追従するだけの、お気楽スタンス一辺倒です。

 ★事の発端は2019年、シンクタンクに勤務するあるイギリス人女性が、性別(ジェンダー)移行を安易に認める風潮に懸念を示す意見をツイートしたことが始まりです。結果その女性はシンクタンク勤務の契約を打ち切らました。それでローリングは即座に「性は現実のものと言っただけなのに、言論の自由を毀損してまで彼女を職場から追放するの?」と1400万人のフォロアーに向けてツイートしました。たったこれだけです。しかしローリングに対する非難の炎上は増し、愚劣な差別主義者、反トランスジェンダー主義者の烙印となってしまいました。そこでローリングがなぜ「キャンセルされた人」になってしまったのかを知るために、あらためてトランスジェンダーとはどういう人たちなのか定義しなくてはなりません。ところが結論から言えば、トランスジェンダーの定義については今もって明確な定義はないようです。

 ですからLGBTQ+政策の暗部は突き詰めればTとQ(クィア…逸脱。性的思考や性自認が定まらない人)ということになるようです。ではここでいう暗部とはなんでしょう。極端に言えば、こうした新しい潮流に対して、新種のビジネスではと揶揄する話もあります。また欧米では、こうした概念の流行についてある種の検証機運が少しずつ起きているようです。例えば日本だけの特殊な話のように思われがちですが、トイレの問題は欧米でも大問題となっていますし、またパリオリンピック中に大きな話題となった、トランス女性の女性種目への出場問題などもあります。一方欧米では、新種のビジネスとして医療で思春期ブロッカー、ホルモン投与、外科手術によるトランジション(性転換)などか利益のために乱用されているといった疑念も生まれています。こうした問題については日本にもLGBT理解増進法といった法律があります。しかし「米国の思考トレンドに乗っかっていれば批判されず、まずは安泰」といった「米国の価値観こそ普遍的価値観」といった思考停止状態と御身大切状態(別の言い方をすれば、これでテレビのコメンテーターの地位、キャンセル・カルチャーされないよ~といった卑屈な根性)。そして「マイノリティーの人権を守ろう」の一つ覚えは、まさに政治家の胸元に光るブルーリボンバッジのごとく、無思無策を隠蔽する手練手管でしょうか。次回もLGBTQ+についてのHatenaをもうちょっぴり書きます。では…

Bitly

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