93ホモセクシュアル

 ある企業のとある支店に転勤になり、そこである経験をしました。ただ「それナンだ、ナンだ?早く言え!」と急かされても、ちょっと言いにくい話なンですよね(モジモジ)。…と今日のHatenaはそんな話なンですけど、どうでしょう聞いていただけます?モジモジ

疑問(93)ホモセクシュアル

突如こんな出だしで恐縮です。ただ話の内容が込み入っていて、関係者に様々な影響を及ぼすかもしれません。そのため、この話の時期や場所など具体的なことは一切捨象して書かせていただきますので、何卒ご容赦ください、では…。転勤しての初日、上司より「ちょっと変わったのがいるけど、人はいい人間だから心配しないように」という助言。おお、何と風変わりな助言でしょう、と思いつつ数日観察していると、男同士の会話なのに相手に投げかけるの視線がなぜか艶っぽい。「ひょっとしたらこの事では?」と直感したものの、まさか…。ただ彼の風采たるや、大学時代の肉体改造系クラブで鍛えただけあってのマッチョで強面。そして幾日が過ぎ、同僚からも彼についてチラホラ聞くようになってきました。さらに女子間でも「彼は両刀使い」という囁き。そんなある日、インパクトのある出来事が起こりました。それは同僚のA君が出社するなりブツブツ怒り始めたのです。事の詳細は昨日、A君が彼に家まで送ってもらった事に端を発していました。A君によると「執拗に彼がA君を家まで送ると言うので、不安はよぎったものの、まあ大丈夫だろうと送ってもらった」そうです。そして不安は的中しました。まさかの事件です。家に向かってバイパスを走っていると急に車を路肩に寄せ、ガードレールで助手席ドアが開けられない状態になったそうです。A君も「シマッタ!」と思ったそうですが、瞬間、助手席に迫って来られたので大暴れして何とか防戦。そのかいあって、なんとか一難を逃れ得たそうです。ただ「メガネが壊れた」と、いつもと違うメガネ。そのあと、いつもの元気はつらつで加害者の彼が出社してきました。周りの誰かが、メガネ破損に至る説明を彼に求めました。すると彼は小声でボソッと答えました。「だって〇〇さん、暴れるンだもん」という一言です。憤慨していたA君を含め回りは思わず大笑い。それは彼の仕事ぶりや何か憎めない性格の故だったかも知れません。ただ彼は、それから三年後に他支店への転勤辞令が出た折、なぜか退職して別の会社に就職してしまいました。そんな彼、どうしているのかなぁと、今では懐かしい思い出です。そうそうこんな事もありました。支店の同僚たちと海へ行った時の事。さっきまで泳いでいた同僚のB君が水面が胸の高さぐらいの所で立ちっぱなしで、一向に岸まで戻ってきません。そこで同僚が近くまで行くと「海パンが無い」とのこと。「どうして?」と聞くと、「平泳ぎで泳いでいたら、後ろから彼が近づいてきて海パン脱がされて持ってかれた」と大憤慨。同僚が彼を見つけ説教したらその時も「〇〇さん、暴れるンだもん」とまさにいつぞやと同じ返答だったそうです。もちろんそのたび「こういうのって本当は単なる悪ふざけなんだろ?」と聞くのですが、いつも彼は「アイアム・ホモセクシュアル」と屈託なく答えていました。そして眼鏡破損や海パン事件の批判はありましたが、たとえ彼が言うように「アイム・ホモセクシュアル」であったとしても、当時、同僚のだれの心にも差別的な感情が芽生えなかったことは、今も清々しい記憶として刻まれています。ここまで読んでどうです、本当に彼はホモセクシュアルだったのでしょうか? 実はもう少し色々な事もあったのですが、ちょっとここでは表現するのに当たり障りがありそうなので、今日はこれで終わります。

PS→日本には江戸時代の東海道中膝栗毛という滑稽本があります。今でも映画や、現代語訳本も出版されていますね。この本の主人公はご存じのように、弥次さん喜多さん。そしてあらすじは、この二人の東海道旅行記の形式となっています。ところで、この弥次さん喜多さんの関係をご存じですか。旅行出発当時、喜多さんは満29歳、弥次さんは満49歳。そして喜多さんは弥次さん方の居候。そして喜多さんは弥次さんの馴染みの陰間(かげま=江戸時代の男色を売った男娼のこと)でした。そしてこの二人、遊蕩三昧のあげく一緒に江戸へ駆け落ち。江戸ではある商家に奉公するものの、女主人に言い寄るし、放蕩癖は治らないし、さらに二人がイチャイチャしすぎるので、ついに解雇され二人で旅行に出発…とまあこんなお話しです。どうです江戸時代って、思ったよりおおらかじゃありません? 以上参考までに追記させていただきました。

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