13.ウクライナ侵攻

ロシアのウクライナ侵攻について…なんていう話。ちょっと場違いかもしれません。ただ今日は戦略的、地政学的、歴史学的などと言うような大それた話ではなく、なんとなく直観的に感じる「疑問」を書いてみました。

疑問13(ロシアのウクライナ侵攻)

戦争の大義は当然対峙する双方が持ち、またその大義の正当性を双方とも頑なに主張します。そして所詮「勝てば官軍」と言うように、戦に勝って初めて「あんたの方が正義!」とのお墨付きを得られるのも真実です。戦中の日本がその大義とした大東亜共栄圏、八紘一宇なども、敗戦であっさり危険思想として抹消されました。同様に近年、ベトナムや南米、中東などで幾多の侵略戦争を仕掛けてきた米国は、その戦いで勝者の凱旋を得ることはできませんでした。そのため米国の描いた大義は、単に大国のエゴや覇権主義、さらには戦争中毒といった悪評に今も晒されることになりました。そこで最初の「疑問」です。ロシアがウクライナの民族自決権を踏み倒し行った今回の侵攻。許されるものではありません。ただその一方、日本ではなぜロシアの言うその大義をもっと聞いたり考えたり、報道しないのでしょう。今は仮に報道されても「ロシアは…と言っているが、これは自分勝手な言い分ですね」などと否定するために置いた枕詞程度のような報道です。さらにバトルゲームを観戦するような毎日の戦況報道の多さにも、うんざりです。また経済制裁は永久不可欠の必須アイテムといった思考なのでしょうか、政府やメディアともに、その是非の論議の痕跡はほとんど見当たりません。この思考停止は何故なのでしょう。また「戦争に勝者はいない」と言われるように、長引けば長引くほど戦死者の増加や文化財や家屋の破壊、インフラの壊滅が発生します。まさにその国の存亡に関わることなのに、なぜ早期停戦の策を議論の俎上にあげ、報道しないのか。また政府もそうした議論の発議になぜ躊躇するのでしょう。そしてゼレンスキー氏の言う「国を守る」の国とはいったい何なのか。人がいなくても国土があれば、それを国家と言えるのでしょうか。これもいつも「疑問」になっています。またついでに言えば、テレビ報道で最近にわかに露出の機会が多くなった識者の方々がおられます。日本は日米安保条約で米国とは同盟関係です。ご存じのように有事の際には、幾つかの自衛隊基地を米軍も共用基地として使用できるような親密な関係です。そうしたまさに米軍と兄弟関係にある自衛隊。その自衛隊のシンクタンク部門に属する方のテレビコメンテーターとしての出演が今盛んなのに、お気づきでしょうか。今回の戦争、ウクライナにとっては米国の代理戦争のよう、とも言われています。そのためでしょうか、出演される自衛隊関係者の発言については、米国の視点にバッチリはまって可もなく不可もなく発せられているように感じられます。要するに米国こそ正義や民主主義の体現者と言った思考潮流の中にあるのです。ちょっと怖くありませんか。そして他のコメンテーターにも目立つ特徴があります。当然その分野の学者や研究者が多いのですが、ある特徴の方が目立ちます。それは米国のシンクタンクに在籍された経験のある方たち。さらに外交戦略問題を専門とするような保守系シンクタンクに属された方のご出演です。ウクライナの後ろに構える米国とほぼ同じ立場で発言されるところなど、やはりシンクタンクの思想洗礼を受けられたのではと、いぶかしく感じることもあります。日本は対米従属国だとよく揶揄されますが、とんでもありません。自分の頭で考え行動できる、れっきとした民主主義国で自主独立国です。それがなぜ勇気をもって、あくまで人命尊重の精神を基軸に停戦誘導の発言や行動、さらにはそうした報道ができないのか疑問で疑問で、まさにこれらは本日の「疑問」の穴です。

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