18.タトゥー

昨日のピアスに続いて今日はタトゥー。今ね、多様性を認め合う時代ってよく言いますよね。それでタトゥーも尊重すべき個性の表現。だから批判なんてダメジャン、っていう風潮。なんかそうした流行語に弱いと思いません?日本人って。そうだ欧米人はやたらとセレブに弱いけど、それも同質かな。そのなんというか表面的な雰囲気に流されやすいという点が…。ともかくきょうはタトゥーでいきましょう。

疑問18(タトゥー)

タトゥーの歴史、これまた古いのです。16000年前の新石器時代にはあったようです。日本でも縄文時代には行われていたようですが、江戸時代には他国に類例を見ないほど、その技巧は高まり、ある種の芸術性を帯びたものになったようです。またその時代、ホクロ程の極小刺青なのですが、遊女と客の両人が愛の証にする「入れぼくろ」なんていうのもあったそうです。ただ江戸中期になると犯罪の刑罰として囚人への刺青が採用されて、多少人気はダウンしたようです。そして明治時代(1908年の禁止令)により禁止されましたが、実際は処罰されることもなくその後も行われていたようです。そして戦後の1947年に日本国憲法が施行され、その翌年にその禁止令も廃止されました。こんな日本の刺青ですが、いよいよ本題に入ります。なぜタトゥーをするのか?  まずよく聞くタトゥーの弊害を書いてみます。➀その原料の色素に金属が配合されているため、MRI診断を受診できない。(MRIの高周波による酸化鉄の反応でおきる誘導加熱、火傷の恐れ)➁一部の例外はあるが、生命保険に加入できない。(生命保険会社は、反社会的勢力の影響を極端に嫌う。また刺青を原因とした皮膚炎の可能性を憂慮する)③仮にそれを無告知で加入しても後日、告知義務違反を問われる可能性が非常に高い。④海水浴場などで好奇の眼差しをうけることがある。(実際、その道のOBの方に聞いた話ですが、子供と行ったブールで経験したその時のことが一番こたえた、とのことでした。) また、ここでちょっと余談です。その方、今はまったくの堅気です。ただ何年かに一度、その道のOB会旅行をするそうです。もちろん通常は部屋風呂を使うのですが、ある時は魔が差したというか、つい大浴場に行ったそうです。ただ大浴場に入った時は大変混雑していたそうですが、ものの数分もたたないうちに、きれいさっぱり貸し切り状態になったそうです。もちろんOBは全員その絵模様です。その時の感想は皆「OBでも、これ役に立つなぁ」だったそうです。ではメリットはなにかと言えば、江戸の火消しのように、ある種の男らしさの表象として。またファッションとして。外国人でたまに見るキリスト像や十字架といった強い信仰心の発露として、などがあるでしょう(きっともっと他もあるでしょう)。しかしそれらもピアスの場合と同様、個人の気持ちや嗜好は移ろうもの。また自分自身の肉体も老いの経過とともに老醜を増していきます。なのに、決まった場所に決まった模様や色彩で描かれたタトゥーなるものは、いかほど自己の個性を満足させることができるのでしょう。それでもなぜタトゥーを欲するのか、疑問です。さらに先ほどお話しした任侠世界OBの方。そのプールでの出来事で、以来一度も家族でそうした場所に行かなかったそうです。「意外にそれこたえてね、この世界から足を洗うきっかけにもなったね」と語ったその任侠OBさんのTシャツがその時、なぜかムーミンだったことを鮮明に覚えています。あの世でタトゥーどうしたのかなー、ムーミンのTシャツ着ているのかなー。

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