家には小町と小鈴がいます。もちろん京都先斗町の芸妓さんではありません。雑種のキジトラと黒猫二匹です。今日はそうしたペットを取り巻く環境がなぜ悲惨なのか。そんな「疑問」について書いてみます。では…。
疑問29(ペット)
ペットやペット用品販売額はコロナ禍においても順調に推移し、その市場規模は2850億円(2021年)だそうです。また2022年6月には「動物の愛護及び管理に関する法律」が施行され、とかく非難の多かったペット販売の手法にも一定の規制が課せられました。例えば売れ残りの犬や猫を、個人を騙って保健所へ持参する。さらに「引き取り屋」と呼ばれる業者に、そうした犬や猫などを劣悪な状況に晒すことを分かっていて手渡すなどの行為が、ある意味しづらくなったかもしれません。ただ日本のペット事情は、世界でも後進国のようで、これからどれだけ改善されるでしょう。例えば「これブームで儲かる!」となると私欲に駆られた無定見な交配を行い、その結果として今はどこにも見なくなったシベリアンハスキーの末路はとても哀れです。また令和2年犬猫の殺処分率(保健所などが引き取った飼育放棄や負傷した犬猫の総数を分母とする)は32.8%と近年顕著な漸減傾向にあります。これは各地で催される譲渡会などの努力のたまものでしょう。ただそれでも、上記の殺処分率には分子の<犬4059匹+猫19705匹=23764匹>といった数字には、殺処分で潰えた尊い命が含まれています。またこれから少し気の重い記述になりますが、ご容赦ください。日本で行われている殺処分は、犬や猫のいる小部屋に二酸化炭素を注入する方法がとられています。要するにその部屋を酸欠状態にする方法で、決して<安楽死>などと表現できるようなものではなく、数分間悶絶して死に至るようです。また話は戻ります。そもそもペット用品を売る店はたいていどの国にもあるのですが、ペットそのものを売る店がほとんどない国もあります。まず米国を見てみるとインディアナ州の一部で、2021年10月より犬や猫、ウサギなどのペットショップ販売を禁止しました。また以前からカリフォルニア州やワシントン州でもそれらの販売を禁止しており、こうした動きは今全米に広がっているそうです。フランスでは2024年よりこの種の法律が施行される予定で、犬猫のペットショップ販売が全面禁止になります。ペット購入を希望する場合は、ブリーダーからの直接購入もしくは保護施設から譲りうけることになるようです。さらにブリーダーから買った場合でも飼育に自信がない場合を想定して7日間のクーリングオフ制度や「飼育を知識十分持っていますよ~」といった宣誓書の提示も義務づけられるそうです。そしてドイツ、ギリシャ、スウェーデンなどでも、ペットそのものを売る店は近年あまり見かけなくなったようです。以上ペットを取り巻く環境について長々と書きました。そして最後にお話ししたいのはこれです。「そうだペットを飼おう!」と思ったらペットショップに行かず、まずは保護犬や保護猫を考えてみてください。近頃猫は10年以上生きて普通です。それが日本の捨て猫(地域猫)の寿命は平均たったの3年だそうです。それだけ過酷なのです。夏はまだ冬よりはいいかな~と思われるかも知れませんが、夏のアスファルト舗装は裸足のため火傷するほど熱く、やっと見つけた食べ物は暑さで腐敗し、もちろん美味しい飲み水などありません。ぜひ一匹そうした猫(犬)を飼ってみてください。きっと、けな気なその可愛さに驚かれること請け合いです。
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