61.続CSIS

TVのコメンテーター。面白いけど酷い! あるいは面白くないけど博識! どちらが多いでしょうか? まあ、それは好みの問題もあるので、今日のHatenaはちょっとちがう視点の話です。メディアの報道姿勢って、両論併記とまではいかなくても、対立する両者がいる場合、極力少数側の意見でも報道するのが順当だと思うのですがどうでしょう。ただ、今はとくにTVの報道番組(ワイドショウを含む)を見ると、一方に加担した意見ばかりのオンパレード。まあ、強い者の意見に追随するのは世の常ですから。とくにそれが顕著なロシア・ウクライナ戦のコメントを聞いていても、それはそれで何か一脈があります。よく考えてみるとそれは米国の価値観。そのフィルターを通しての識者意見のお披露目にすぎないことがわかります。ではなぜ近ごろとくにそれが顕著なのか?それについて、米国のシンクタンクCSISの存在とともに、考えてみたいと思います。では、ハジマリ~ハジマリ~。※なお以前のテーマ37「米国シンクタンク」の二番煎じをご了承ください。

疑問61続CSIS

☆シンクタンクとは、諸分野に関する政策立案や政策提言を主に行う研究機関です。

つまりシンクタンクは社会政策、政治、経済、軍事、技術、文化などについての研究とアドボカシーを行う組織をいいます。注:アドボカシーとは「擁護や代弁」、「支持や表明」、「唱道(先に立って唱える)」などの意味を持ち、同時に政治的、経済的、社会的なシステムや制度における決定的影響を与えることを目的した、個人またはグループによる活動や運動を意味します。(Wikipediaより)

多数の米国シンクタンクの中でも、伝統的な米国の価値観や国防、さらには反共主義の敷衍に力点を置く超保守系シンクタンクのヘリテージ財団、さらにペンシルバニア大学による全米シンクタンク評価ランキングでは防衛と国家安全保障部門で世界第一位にあるCSIS(戦略国際問題研究所)の二つがとくに有名です。中でもCSIS(戦略国際問題研究所)と日本との結びつきは、これまでのヘリテージ財団との蜜月関係をも凌駕する活況です。そのCSISと日本との関係については、小泉進次郎、浜田和幸、辻清人、渡辺恒雄、さらには多くの有望な若手官僚や政治家、大学研究者の出向といった戦略的交流発展がCSISとの間に確立しています。例えばCSIS本部内にある日本部には、防衛省、公安調査庁、内閣官房、内閣情報調査室の職員の他、日本貿易振興会や損害保険会社、日本電信電話の職員も、客員研究員として出向に名を連ねています、また組織連携としてCSISは日本の日本財団の下部組織である東京財団や笹川平和財団、世界開発協力機構との協力関係にあります。さらに日本経済新聞はCSISと共同で2021年「日経・CSISバーチャル・シンクタンク」を創設しています。その日経・CSIS共催シンポジュウムには、アーミテージ元米国務長官、スタインバーグ元米国副長官、キャンベル元米国務次官補などのほか、北岡伸一氏、田中明彦氏、河野太郎氏、竹中平蔵氏などが招かれています。ここで話は少々本題からそれますが、今旧統一教会から発せられた各方面へのその価値観の浸潤実態が明らかになりつつあります。また調査が進むにつれ、その啓蒙や布教の網は国政だけにとどまらず、地方議会や教育関係にまで及んでいます。ただ現段階では、メディアや司直の場にその影響が及んでないかといった検証の声はまだ聞きません。半世紀ほど前、ある新興宗教団体が将来日本の国教になることを目論んだ時代、その宗教はメディアや司直の中で信者を増やす戦略をもっていたことがあります。他人事ではなく「信教の自由」の壁にまごつくことなく、ぜひメディア自身も自己検証されることを望みます。またCSISに話を戻します。2015年の国会で山本太郎議員は、「その14年前にジョン・ハムレCSIS所長とアーミテージ米国務長官、ナイ・ハーバード教授との共同で日本の安全保障にかかわるアーミテージレポートを作成した。それは2012年の第三次アーミテージレポートまでつくられたが、毎回日本政府はその筋書き通り、まさにコピペの単純作業に徹し金科玉条に押し頂いてコバンザメのごとく米国の寵愛を受けるべく憲法違反もなんのその、集団的自衛権や特定秘密保護法などを次々と推し進めてきた」と指摘。米国に逆らうものは日本の政権であろうが、メディアであろうが鳩山内閣のように崩壊すると恐れられる昨今、山本氏の勇気には驚嘆します。ただ日本の対中国政策や対ロ・対北朝鮮政策についても同様に米国の描く筋書きが今も進行中です。付言すれば、ほぼ民間人の殺戮に徹した広島長崎への原爆投下についても一切の謝罪はなく、今だにそれが戦争の終結をもたす最良の誘引といった自分勝手な心情吐露は、人権を叫ぶ声も偽善的で薄っぺらなプロパガンダに聞こえてしまいます。それにつけても    TVや新聞の論調を見ると、ロシアのウクライナ侵攻が始まって以来、夥しい情報量の提供にもかかわらず、ウクライナ及びそれを支援するEUや米国を一方的に賛美する勧善懲悪的な報道に偏在してはいないかと感じることがあります。対して欧米の報道には不本意かも知れませんが、ロシアの立場をも報道しようとする姿勢が伺われます。こうしたメディアの偏狭な性質は古くからあります。例えば長くベトナム解放軍をベトコンとさげすんでいた時代。さらには米国のフェイクを真に受けて、イラクのフセイン政権を悪の権化として報道し続けたことなどもあります。いずれも日本のメディアには、先ほどの「米国に背けば政権さえ吹っ飛ぶから米国に盲従せよ」といったような不文律でもあるのでしょうか。それは別にして、いよいよ今日のHatenaについて書きます…。それは報道番組などのコメンテーターに、CSISへの出向といった「洗礼」を受けた方が非常に多いことからもわかります。出演コメンテーターの略歴テロップをよく見てください。CSISや日本財団(その出自は特殊です)の文字によく気が付かれるはずです。一見リベラルに見える報道番組でも、よく見れば米国の利害得失の基準に沿った内容になっています。そもそもこのCSISは日本でもおなじみのイエスズ会を源流としたものです。すでに500年前、日本の地で人心にまで入り込んだ布教のプロフェッショナル。その浸潤の力は旧統一教会の比でないかも知れません。こうしたある意味米国に盲従追随する識者といったセクト。これこそ「美しい日本」に逆行する潮流かもしれませんが、どうでしょう。

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