62.続英国王室

7月7日No27で英国王室について駄文を書きましたが、残念ながら今回の女王逝去でもやはり連日メディアは大はしゃぎで、英国王室永遠なれ!といった報道ばかり。もちろん我が愛する日本のメディアのお話しです。これらのニュースソースはイギリスBBCやロイターからどんどん入るし、左右にとらわれない「ヨイショ」話ですからSNSの炎上を気にすることなく安心で安寧しまくり報道の様相です。別の言い方をすれば思考停止状態の内容でしょうけど。ただ当事国の英国も含めた他国の報道を見聞きしていると、こんな日本の報道ほどヨイショが極端ではありません。英国王室や今回の国葬に対する批判的意見や行動を全体から見ればショートスペースですが、批判的視点が必ず報道されています。前のブログにも書きましたが、当時キャサリン妃の死去報道に比してマザーテレサ死去報道の扱いに憤慨した某著名評論家は「マザーテレサの偉業ははかり知れない。もう一人の方は単に浮気女にすぎない」と言ってのけました。ただ当時も今も、そんな批判を堂々口にする人は他にはいません。一方日本の皇族に対する結婚報道は、その結婚相手の出自、さらには人格否定にまでに及ぶといった破廉恥さが遺憾なく発揮されています。同じメディアでも、なぜこんなに対応が異なるのでしょう。不思議でなりませんが、今日はそんな英国王室の続編を書いてみようと思います。では…

疑問62続英国王室

まずインドが英国の王冠についたコイヌールというダイヤ(105カラット)の返還を要求しています。そうなのですよね、大英博物館の所蔵品のほとんどは旧植民地からの略奪物だとか。そんな英国王室はそもそも超大地主。東京都と同じほどのコンウォールを公領として持っています。またそうした土地の有効活用として賃貸業などを行い、キャピタルゲインなどと合わせ総資産は4兆円、個人資産は720億円です。そして一般国民には課税される相続税はそもそもありません。また以前のブログにも書いたように、女王自身が競馬馬のオーナーでしたし、キャンブルにもめっぽう強いようで、競馬では生前の過去30年間で700万ポンド(10億円)を稼いだそうです。こうしたスケールの大きい資産背景や恵まれた生活環境をみていると、ボランティアや社会福祉などといった活動、さらにはレセプション出席などの公務等々は、まあ絶賛するほどでもない相応のスケールです。そして王侯一族を一就労者として見れば、かなりな過剰報酬のようにさえ思われます。また資産運用についても巧なようで、まずは順調に拡大推移しているようです。ただ、そもそもこの民主主義が闊歩する今の世に、世襲制とは、なんと封建制の残滓で陳腐な制度でしょう。宗教の中にも、生まれ変わりといった輪廻転生制による後継者選びがありますが、それさえチベット仏教などは廃止の方向にあります。もちろんこれは、日本にとっても考慮すべき事柄かも知れません。また王室こそ英国のアイデンティティを体現するものという人がいますが、はたしてそうでしょうか。米国、中国、ロシア、ドイツ、フランス、イタリアなどの大国、どれも君主制ではありません。ならそうした国では国家のアイデンティティは希薄もしくは衰退しているのでしょうか。仮に伝統や文化の独自性が失われていくとしても、君主制の存在如何というより、人的交流のグローバル化が要因のように思われます。では「広大な土地やお城、プリンスとプリンセスの恋、永遠に見果てぬ贅沢な生活といった夢を身近に見聞きするためには、そんな王国の世界もあっていいのでは」という意見もあるにはあるそうです(本当なんですよ)。ですが、それならそんな仮想空間、あるいはディズニーランドのような疑似空間をつくればいいと思ってしまいます。いづれにしても英国王室の存在が、いかほど英国国民の心に気高く響いているのかわかりません。ただコモンウェルス(イギリス連邦)を構成する旧植民地56か国、あるいは英国君主と同一人を自国の君主として戴く15か国のグレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国(The United Kingdom)の巨星(虚勢)として君臨するためには、古式ゆかしいこの制度も必要かも知れませんね。では、日本はどうでしょう。

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