今、テレビや新聞では➀{領海}や➁{接続水域}それに③{排他的経済水域(EEZ)}④{公海}と言った言葉がよく出てきますね。特に③については某国ロケットだの警戒アラートなどの言葉と一緒によく聞きます。そういう事で、十分ご存じの方も多々おみえとは思いますが、今日の「巷のHatena」はその➀~④までの説明とさせていただきます。では、よろしくお願いしま~す。
疑問(71)排他的経済水域 EEZ?
先ず整理しますね。1海里=1.85㎞ (大雑把で2㎞と思ってください)。そして陸地に接する海の高さには{高潮線(満潮時の★水際線)}と{低潮線(干潮時の★水際線)}があるのですが干潮時の水際線である低潮線が通常基本となっています(領海条約3条、国際海洋法条約5条)。なお★水際線とは陸地と海面の接するところです。
ここまでいいでしょうか。では次に進みます。先ほどの➀領海→➁接続水域→③排他的経済水域(EEZ)→④公海と、その矢印が進むにつれて、自国の領土からどんどん離れていくわけですから、その国が及ぼす力もだんだん弱くなっていきます。そしてその距離はというと➀領海は12海里(約22.2㎞)→➁接続水域24海里(約44.4㎞)→③排他的経済水域200海里(約370.4㎞)→④公海(誰のものでもない場所で一番自由に航行できる海です) ではまず➀領海は領土から一番近い「海の領土」とも言える場所ですが、例えば瀬戸内海のように内陸の海はダメですが、外国船もそこは自由に航行できます。ただ外国船の密漁や密輸など日本の法律に抵触する場合、その船長や乗組員を逮捕することができます。◎つまり領海はその沿岸国が領土と同じような権限を持つ海の事です。ここでちょっと領海に付随してよく出てくる用語を二つばかり説明をします。
★領海侵犯…沿岸国の領海内に於いて、沿岸国政府による同意のないまま、外国の公船・官船や外国籍の商業船が無害通航権の範囲を超えて何らかの活動を行うことを指して使用されています。
★無害通航権…外国船舶が沿岸国の平和・秩序・安全などを害さないことを条件として事前通告することなく領海を通行できる権利を言います。そしてこの無害通航権を内陸国含め全ての船舶は有しています(国際海洋法)。
そし次の➁接続水域も基本的には④公海のように、どこの船も自由に航行できます。ただ何か不審な動きを見つけた場合などは、「これ以上領海に近づくな」と警告したり、監視したりといった予防的取り締まりをすることができます。◎つまり、接続水域とは、領海で起こりうる犯罪行為を取り締まれる海のことです。そして次に最近耳目を賑わすのが③排他的経済水域(EEZ)です。それは、天然資源の調査・開発や漁業活動の管理などの権利を沿岸国に認める水域とも言います。それは「海の憲法」である国際海洋法条約によってきめられています。四方海に囲まれた島国日本のラッキーな面でしょうが、その広さは日本の国土面積(38万平方㎞)の12倍ほどにあたる447万平方㎞あり、これは世界6位の順位です。もちろんここでも基本的には公海同様に外国船も自由に航行できます。ただ魚などの漁業資源やレアメタルやメタンハイドレートといった鉱物資源などに関してのみ、日本の法律を適用しています。◎つまり、排他的経済水域とは、沿岸国が経済開発や建設行為などの権限をもつ海のことです。ですからこのEEZでは国の許可があれば外国船でも操業はできますが、そうでない場合は取り締まりの対象になります。そして最後は④公海です。これはだれもが自由に行き来したり魚をとったりできる海のことです。
以上簡単な説明になりましたが、日本と韓国や中国とは尖閣や竹島などの領有権未確定により、このEEZの線引きについて今もスッキリしたものになっていません。またこの件についてマスコミの取り上げ方も、相手の言い分を少しでも取り上げれば「売国メディア」といった批判を恐れてでしょうか。いつまでも内弁慶的思考停止状態で「我が国の領土に決まっているから、きまってるの!」のような論調を繰り返すばかり。また政府与党や野党も自国の有利になりそうな古文書発見合戦にうつつを抜かす体たらくでは、いつまで経っても決着しません。EEZの線引きも含め、なにはともあれ広く対話による外交努力の頻度を「無理だ~」などと萎えずググっと高めるべきだと思うのですが、どうでしょう。
コメント