79.コロナはどこに?

ちょっと前まで日本ではホットする感のあったコロナ感染の推移でしたが、新年早々この猛威。ついに今月6日には感染者24万人超、亡くなられた人も過去最多の456人。なのに巷の空気はどこ吹く風で危機感は希薄。不思議だと思いません? これ7波の時の山より大きいというのに。 ところがコロナと言えば、メディアは中国にまつわるコロナ話のオンパレード。日本にコロナ災禍はもうない?って感じ…で、今日はそれをHatenaのテーマにします。

疑問(79)コロナはどこに?

「中国ひどい!ゼロコロナ政策の急激緩和で、日本もこんなになっちゃった!」と連日連夜連呼するメディアやその茶坊主的コメンテーター。ですが、その直前までは「ロックダウンを伴うような非人道的ゼロコロナ政策などすぐにやめろ!中国民衆のデモ隊がんばれ!」と言っていたはずなのに。毎度のことながら、これも日本国内にくすぶる色んな鬱憤のガス抜きとして、中国、ロシア、北朝鮮を利用する、あの常套手段の一環でしょうか。例えば防衛費増額GDP比2%の言い分として、中国による台湾進攻が今にも起きそうな人心不安を煽るそのプロパガンダも、その一脈相通じる手練手管かもしれません。そしてまさにコロナについてもご多分にもれず、その発現から今日に至る災禍の全責任は中国にあるといった小児病的「なすりつけ」心理が貫徹されていそうです。こうした論調の醸成は日本の政府やメディア、さらにそれに群がる「識者」と呼ばれる人達にとっても、我が国の宗主国である米国政府や国内左右からの非難さえ受けない、自己保身の安全弁として恰好の策なのでしょう。これではかって「日いずる国」であった自主独立の誇りは潰え、さもしい国体とも言えるでしょうか。ここで中国のコロナ対策をもう一度振り返ってみると、おおよそこんな流れです。中国は昨年12月上旬ころから上海などが、それまでのゼロコロナ政策を緩和し始めました。同時にそれまで日本のメディアは、外出制限の撤廃を求める中国市民の抗議運動を肯定的、積極的に取り上げていました。しかし規制緩和が進むにつれ中国の感染が急拡大に転じると「その規制緩和にこそ問題あり!」といった批判報道に一転しました。つまり「◎習近平国家体制をも揺るがすゼロコロナ政策反対デモ及びそうしたデモへのエール→◎ゼロコロナ政策の緩和による感染爆発と、そうした政策に転換した習近平国家体制そのものへの批判」といった変転です。つまりどんな策をとっても中国はあくまで批判の対象国なのです。そして毎日、中国は今後の世界的なパンデミックの趨勢をも左右する危険極まりないと国といった情緒的でエビデンスの希薄な報道が垂れ流されています。これは初めて武漢で症例が確認された時、病原菌の発祥地があたかも中国武漢であるといったWHOの認証さえもない中国犯人説を垂れ流した当時のメディア報道と酷似しています。

ところである日本の研究者によると、人口14億人の中国では、その半数に近い推計6億人以上が感染しているようです。また人口65百万人の浙江省では1日あたり100万人の感染者、正月前後では200百万人を超える感染者だと推測されています。そしてまた、この急激な感染増加については以下のように説明しておられます。➀まず厳しいゼロコロナ政策の緩和を昨年12月急激に行ったことが、やはり大きな要因になっている。➁今中国でのワクチン接種率は、1回以上接種した人で言えば、シノバックスのような自国ワクチンを主に90%が摂取している。そのため欧米や日本が経験したような罹患状況をいずれくぐれば、今のような一時的な感染者数の山があっても、近いうちに大半の人が感染したと同じような状況が来て、中国は沈静化に向かうだろう。③さらに今回、中国で大きくコロナ患者が発現したことの理由として、欧米が早くから新規感染者の正確なカウントを放棄し、またマスクやソーシャルディスタンス、ワクチン接種なども次々緩め、さらに制限緩和による海外旅行者数も大きく増加したことが挙げられる。④また別の視点で言えば、そうした欧米などによる早期からの規制緩和要因が中国へのウィルス拡散の元凶となった節がある。つまりそれまで徹底的に抑え、感染者数が非常に少なかった中国こそ、ウィルス感染の余地があったと言える。そしてまたこうも述べておられます…⑤ただ中国は14億人の民。もし仮にコロナウィルスがこれから中国の外に広がるとなると、そのウイルスが過去3年間にないほどの勢いで世界中に広がることは間違いない…と。日本では日々刻々とコロナ感染者や亡くなられる方は急増しています。ですから、この機に及んで、いくら国民を「目くらませ」したい、あるいは国民の不満の「ガス抜き」したいとは言え、犯人捜しにその時間や労力を浪費したり、他国を悪の権化のように批判する暇があるなら、ぜひ自国のコロナ対策に心血を注いでもらいたいですね。そして今はもう「ウイズコロナの風潮が然るべき正義」のようですがこの成功事例も、やはりメディアの力でしょうか。ちょっと脇道に逸れますが、いつでも、どこでもウクライナ戦争のように「正義の側はこれだ」という二項対立的思考の敷衍力やプロパガンダ。これってある意味怖い話ですね。

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